甘い執事の思うがまま。




きっと、優しいのに変わりない。

ただ、男の人たちと話している時とかは、どんな感じなんだろうって。

楽しそうに笑っているのかな。


きっと、そうだろうな。
楽しいに違いない。

男の人たち同士でしかできない話もあるかもしれないし……そう考えたら、なんだか申し訳ない気持ちになった。


拓人は私の専属執事になってから、ずっとそばにいてくれている。

確かに嬉しいけれど、拓人のことだ。
友達も多いに決まっている。

それなのに……。


「……拓人」
「美紅?どうしたの?」

「私といて、楽しい?」
「えっ……」

「友達と遊びに行ったりとかしていいんだよ?
私だけといても、絶対つまらないだろうから……」


もうすぐ靴箱に着いてしまうというのに、こんな話をしてしまった自分。

拓人を困らせるだけなのに。