甘い執事の思うがまま。







いつもより少し遅い登校。
そのため、登校する人たちが多い。

さらには視線も感じて、少し気まずかった。


やっぱり拓人は目立つ。
みんな拓人に向ける視線に違いない。


ちらっと拓人を見れば、穏やかな表情。
優しい雰囲気がだだ漏れ。


「……美紅?」

私の視線に気づいたらしく、拓人がこちらを向く。
本当に整った顔、かっこいい。

その上優しくて、忠誠心も強い。


ただ、少し意地悪。


「美紅、そんな見つめてどうしたの?」

柔らかな口調。

これがまた、みんなを安心させて親しみやすく思うのだ。


「ううん、なんでもない」

私はようやく視線を前に向ける。


クラスにいる拓人はどんな感じなんだろう。
ふと、そんなことが気になった。