それが余計に恥ずかしくて、ドキドキしてしまう。
「美紅、小さいね」
「えっ……」
「こんなにも簡単に収まるなんて。
いっそのこと、このまま閉じ込めてやりたい」
「と、閉じ……!?」
勢いよく顔を上げれば、拓人との距離は思った以上に近くて。
一瞬にして、昨日のキスが思い出された。
そうだ。
私は昨日、拓人と……キス、したんだ。
そう考えたら、ぶわっと顔が熱くなって、たまらない気持ちになる。
忘れていた、私。
こんなにもかっこよくて人気者のある拓人と、私はキスというものをした。
もしかしたら昨日のキスは夢なんじゃないかなって、思ってしまうほど信じられない。
「……美紅、顔赤い」
「……っ」
やっぱり顔に出ているんだ、この恥ずかしい気持ちが全部。



