「拓人が照れてる……」
こんな表情もするんだって思った。
拓人はいつも、余裕があるイメージだった。
「先ほどの言葉が嬉しかったので……気分を害してしまったのなら申し訳ございません」
「そ、そんなことないよ!
また違う拓人の一面を知れて嬉しい」
昨日、私ばかり本心見せて泣いていたから余計に。
「……そうですか。なら、お嬢様。
これからも、私のことをどんどん知っていってください」
すると拓人が目を細め、少しいたずらっぽく笑った。
どこか幼い笑みに、言葉に、やっぱり胸がドキドキして。
「うん、拓人のこと、もっと知りたい」
「私もお嬢様のこと、知りたいです」
お互いがお互いのことをまだまだ知らないから。
これから少しずつ知っていけたらなと思った



