「ありがたいお言葉、感謝致します」
拓人は深々と頭を下げる。
こんなにも忠誠を誓ってくれる人、拓人しかいない。
「じゃあ……さっきの男の人に対しての話、言い過ぎかなって思ったけど、それも全部、拓人を信じていい?」
「はい、お嬢様。どうか信じていただけると幸いです」
「津田くん、も?
意地悪だけど、優しいところもあるし、そこまで横暴な人とは」
「お嬢様」
拓人が、少しきつめに私のことを呼ぶ。
そしてゆっくりと立ち上がり、私を見据えた。
「男は簡単に嘘をついて騙し、気を許させるためになんでもします。
津田という男も、決して信じてはなりません」
私の肩に手を置く拓人。
「男は手段を選ばず、優しさを見せて誘い、最後に後悔するのはお嬢様です。
どうか私を信じて、極力関わりは持たずに私のそばから離れないでください」
後悔するのは、私。
拓人はそんな先まで、私のことを考えてくれている。



