返答に困ったから、代わりにまたチョコケーキを食べ始める私。
食べ終わる頃には、すっかりケーキに気を取られていて、満足した気持ちでいっぱいになっていた。
「ごちそうさまでした」
「では、片付けて参りますので、少しの間ごゆっくりしていてください」
拓人はそう言うと、お皿とフォークを手に取り、部屋を後にした。
ドアが閉まると、途端に静かになる部屋。
ひとりになったんだと思い知らされるような気がして、寂しい。
2ヶ月前まではこれが当たり前だったのに。
その気持ちをかき消すようにして、もう一度机と向き合い、私は勉強を再開する。
集中して解いていると、意外とすぐに拓人は戻ってきた。



