家に着くと、車から降り、家の中へと入る。
「じゃあね、美紅」
「うん。また後で」
そして私の部屋の前で、別れるのがお決まり。
次に拓人と会った時には、“恋人”から“執事”へと変わる。
私は部屋の中に入り、まずは着替えた。
着替え終わると、今日出た宿題をやろうと思い、椅子に座って机に向かう。
高校の最初のところは、春休みの間に拓人に教えてもらっていたから、早速つまずくことはなく。
スラスラと解いていたら、部屋がノックされた。
拓人が来たのだ。
「……はい」
「失礼致します」
さっきまで普通に話していた分、あっという間に敬語へと変わる拓人に、最初は必ず違和感を感じてしまう。



