「あれが、美紅の彼氏……間近で見たらさらにイケメンだね」
「そ、そうだね……本当に完璧な人で」
私だってまだまだ見慣れない。
あんなかっこいい人。
「津田も優しく愛想振りまいていたらモテるのにね」
「余計なお世話だ。
女にモテたくなんかねぇよ」
確かに津田くんもかっこいい。
どちらかと言えば、拓人と逆の、クールなイケメンって感じの人だ。
ただ常に不機嫌な表情をしているイメージが強く、女の子も容易に近づけないみたい。
「……でも、なんかあの先輩、裏ありそうな気がしたんだけど」
「何言ってんのよ津田。嫉妬?
そんなの見苦しいだけよー?」
「うるせぇ、普通に思っただけだよ」
津田くんの言葉に、楓ちゃんが笑いながら言葉を返す。
楓ちゃんは楽しそうなのに対し、津田くんは面倒くさそうだった。



