学校の少し手前にある裏道で降ろしてもらい、私たちは少し歩いて門を通る。

もちろん手をつないで。


今じゃ“恋人つなぎ”というものをしているから、視線が集まるのは少し恥ずかしい。


「じゃあね、美紅。
また帰りに」

「うん、またね」


私たちの学校は、なんと1年だけ校舎が違う。
2年と3年は本館で、1年は北館。

そのため、靴箱で上履きに履き替えれば、もう拓人とはバイバイだった。


今は週に2回、決まった曜日に拓人と食堂でお昼を食べているけれど、今日は一緒に食べる日じゃない。

そのため、朝にバイバイすれば、放課後まで拓人と会うことがなかった。


少し寂しいけれど、拓人は2歳年上だから仕方がない。

それに、1年後には拓人はこの学校にいないのだ。
そう考えたら、今からでも不安だった。