「最近、君の横暴さは有名だったんだ。
俺の耳にも入ってくるぐらい。
それで今見てみたらこの有り様、酷いよね。俺の美紅を乱暴に扱って、泣かせて。
まあすぐキスするような真似、しなかったのだけは褒めてあげる」
一切瞳を揺るがさず、智さんを見つめる拓人。
「……何が言いたい」
「君は君の父親すらも困らせていること、本当に気づいてないの?」
「は?」
「親不孝な人だね」
ため息をついたかと思うと、拓人は智さんの手首をグッと掴む。
「君、自分が高い地位にいると思ったら大間違いだよ?上には上がいる、一流企業だからって潰すのは案外簡単」
「お前、本気で何言って…」
痺れを切らしたのか、明らかに拓人の胸ぐらを掴む手に力が入ったその時。
またノックもなしに勢いよく部屋のドアが開けられた。



