「は?
お前誰に舐めた口きいてんだ」
「この世界はなんて醜いんでしょう。
弱肉強食の世界。
弱い者はされるがまま、まるで奴隷扱いだ」
一歩、また一歩と拓人が私たちに近づいてくる。
そのタイミングで智さんはベッドからおり、勢いよく拓人の胸ぐらを掴んだ。
「何が言いてぇ?
このままだとクビだけじゃすまねぇぞ?」
「……それはどっちのセリフだろうね」
「は?」
「俺、今言ったよね?
醜いこの世界は弱肉強食だって」
いつのまにか敬語をなくす拓人は、私の知らない姿で。
偉い立場である智さんに怯まず、むしろ挑発しているようにも思えた。
拓人、どうしたのだろうか。
もしかして割り切ったとか?
ううん、拓人に限ってそれはないはずだ。
きっと何か考えがあって───



