「……おい、お前何笑ってる。
執事の分際で」
恐る恐る目を開ければ、拓人は手を口元へ当てながらも明らかに笑っていた。
必死で笑いを堪えるような様子だったけれど、堪えきれていない。
「たく、と…?」
さすがの私も驚いたけれど、その姿に智さんはブチ切れてしまったらしく。
「もういい、お前は今すぐクビだ。
そんでお前も一生俺の奴隷。
今すぐそれを受け入れねぇと本気でお前ら家族潰すぞ」
全身が震え上がるような低い声。
さらには拓人と私を交互に睨みつけてきた。
けれどなぜか智さんを怖いとは思わず、それ以上に拓人の態度が不思議でならない。
「いやー、智様は予想以上のお方ですね。
何でも自分の思い通りになると思っていらっしゃる」
クスクスと馬鹿にしたような笑みを浮かべる拓人。
余裕に満ち溢れている表情だ。



