「なんかお前らふたり、いい感じかもしれねぇけどふざけんなよ。堂々と婚約者の俺が来るってのにイチャイチャしやがって」
「さ、智さん…違いま……」
「お前は黙ってろ。
黙って俺の婚約者として尽くせばいい」
慌てて否定しようにも、圧をかけられてしまう。
なんて乱暴な物言いだろう。
まるで私は道具扱いだ。
「いいのか?ちゃんといい子にしてないと、俺は一流企業の社長の息子。
もしお前が下手な真似すれば、俺のひと言でお前らも家族もめちゃくちゃにできんだぞ?」
「……っ」
まさかここまで脅されるとは思っていなかった。
何もかも自分の思い通りに動くと思っている。
悔しいけれど、実際その通りなのである。
私は何も反論できない。
ただ相手の意思に従うだけだ。



