だって、たっくんが拓人で拓人がたっくん…?
一体どういうことだ。
相変わらずニコニコ嬉しそうに笑っている拓人。
少しずつ理解していく。
「あ、の…拓人が、たっくんですか…?」
「それが正解です」
「えっ、どうして…たっくんが拓人、え…」
「美紅、混乱してるね。かわいい」
呆然とする私の頬を拓人は指で撫でてくるけれど、それどころではない。
もし拓人の言っていることが本当だとしたら───
「ど、どうして言ってくれなかったの!?」
初めて理解した時、私はとっさに大きな声を出してしまった。
だってそうだ、拓人が私の専属執事になってからずっと彼は黙っていたことになる。



