それでも私は拓人が無理ならたっくん…って、保険をかけているのだ。
まるで自分に言い聞かせるかのように。
ひとりになるのが怖いから。
ひとりぼっちはもう嫌だから。
本当は今の孤独な私に手を差し伸べてくれて、そばにいてくれる拓人のほうがずっといい。
私、いつのまにか拓人を好きになっていたんだ。
「拓人、離れないで…好きなの。
拓人お願い」
気づけば拓人の胸元に飛び込み、ぎゅっと抱きつく私。
バカみたいだと呆れただろうか。
私ひとりが勝手に不安になって、拓人にすがって。
私なんかただの“仕事上の守るべき相手”でしかないというのに。
「美紅」
「拓人、好き…大好きなの……」
「美紅、大丈夫」
ずっと本音を口にしていると、ついに拓人が口を開いた。



