甘い執事の思うがまま。





たっくんは今、どこで何をしているのだろう。

もし目の前の拓人がたっくんだったらいいな…なんて、そんなことありえないけれど。


「美紅?今日の美紅はおかしいよ」
「……たっくんに会いたい」

「えっ?」

「拓人、私からの命令。たっくんを探して…たっくんなら絶対に私のそばにいてくれるもん」


たっくんがそう言ってくれた。
だから私はたっくんともう一度会いたい。

手がかりなんてほとんどないけれど。
優秀な拓人ならきっと見つけてくれる。


「美紅、落ち着いて…」

「落ち着けないよ!拓人が忠誠を誓ってくれて、私のそばにいるって言ったのに…嫌だ拓人、たっくんよりも拓人がいい」


自分でもよくわからなくて、頭の中がぐちゃぐちゃ状態。

いきなり“たっくん”という人物が私の口から出てきて、拓人自身も戸惑っていることだろう。