「キスはしないよ」
「……っ」
「早くご飯食べようね、美紅」
そんな私を面倒に思ったのだろう、拓人は一切目を合わせようとはしてこなくて。
明らかに拒否されたのだ。
私が変なことを言うから。
私だけが拓人と───
これからもずっと一緒にいたいって、思っているんだ。
『次に会った時からは一生、美紅ちゃんのそばから離れない』
ふと脳裏をよぎる昔の記憶。
たっくんと離れ離れになると知った時、たっくんから言われたこの言葉。
一生私から離れないって。
『俺は約束したんだよ、ずっとそばにいるって』
確か拓人もいつの日か、そう言っていた気がする。
拓人は忠誠だって誓ってくれたというのに。



