「いつかは終わるね、この関係」
少し暗い表情で拓人が口を開いたと同時に足を止める。
どうやら目的地に着いたようだ。
拓人が手に持っている鍵を使ってドアを開け、何に入る。
私も後につつけば、そこはいつも使っている教室とほとんど変わりなかった。
ただ机と椅子の数が約半分くらいと少なく、広々とした空間である。
けれど私はそれどころではなかった。
先ほどの拓人の言葉が何度も頭で繰り返される。
いつかは終わるこの関係。
わかっているのに、こんなにも苦しい。
「……拓人」
「美紅、ご飯食べよう」
「拓人、拓人はずっと私の専属執事?」
不安が膨れ上がり、ついには言葉にしてしまった。



