「ありがとう」
自然と笑顔になる私。
そして私の準備が完璧に終わると、ようやくここで拓人が制服に着替えたりして準備を始める。
だけど拓人は私が起きる前に身支度は終わらしているため、制服に着替えるだけで終わり。
つまりそれだけ早起きしているってことだ。
私は一度自分の部屋に戻り、拓人が来るのを待つ。
ここからは恋人同士の関係。
もちろん“フリ”だけど、不思議な気分だ。
恋人なんてできたことないから、ちゃんと演じられているかなんてわからないけれど。
その時、部屋がノックされて。
「はい」
返事をすれば、ドアが開く。
視界に映ったのは、制服姿になり、いくつか幼く見える拓人の姿。
とは言え、普通の高校生に比べたらずっと大人びているのだけど、執事服に比べると高校生らしくなる。



