甘い執事の思うがまま。




そして一度外に出たかと思うと、サンドウィッチと紅茶を乗せたティーカートを私のそばまで運んできた。


「ですが今日だけですよ、お嬢様。ベッドの上で食べるのはマナーとして良くないですから」

「うん…」


拓人の言葉に頷きながらも心の中で感謝する。
やっぱり拓人は私のことをなんでもわかっているのだ。


「それではどうぞ、ゆっくりでいいのでお食べください」

「……ありがとう」


拓人にサンドウィッチの乗せたお皿を差し出され、素直に受け取ったけれど。

どうしても食べる気になれない。


ただ手に持つお皿をじっと見つめたまま、時間だけが過ぎていく。


「お嬢様」
「……っ」

今度こそ呆れてしまったのだろう、拓人が小さくため息を吐いてしまう。