それからはご飯を食べる。

いつもは大きなテーブルに、ぽつんとひとり座って食べる寂しい空間だったけれど、今は拓人がそばに立っているから、それだけで空気が違う。


「お嬢様、お飲み物はいかがでしょうか」
「……りんごジュース、飲みたい…」


今までは、ジュースが飲みたいなんか言えなくて、紅茶を頼んでいたけれど、拓人には正直に言う。

すると拓人は笑って了承してくれ、すぐにりんごジュースを用意してくれた。


朝から幸せ。

フレンチトーストに、サラダにスープ。
それから、大好きなりんごジュース。


正直、今まではご飯の時間は嫌いで、あまり食欲すら湧かなかったけれど、今は違う。

前みたいに無理矢理全部食べる、みたいなことがなく、食べたいから全部食べるのだ。