甘い執事の思うがまま。




秒針が進む音だけが部屋に響き、途中、いつもなら気にならない小さな音ですら、ビクッと反応して怖がってしまう。

「うう……」

怖い、ひとりは寂しい。


迷惑なのはわかっているけれど、スマホを手に取り拓人へメッセージを送る。

これで拓人が気付かなければ、我慢するしかない。


微かな希望だけを頼りに、メッセージを送った。

「……っ!」


すると、メッセージを送って数秒後に。
拓人から返信がきた。

思わず起き上がり、何度もその部分を確認してしまう。


確かに拓人から、【今すぐ向かいます】という返信があった。



拓人が、起きている。

それだけでも私を安心させるのに十分だったのに、さらに拓人はこちらへ来てくれるという。


本当に優しい人。