「素直でいい子ですね」
それでも大人しくしていたら、拓人が満足そうに笑った。
「……拓人?」
「お嬢様。やはり、先ほどの言葉は訂正致します」
「……ん」
何のことかわからなくて、聞き返そうとしたけれど、その前に唇を塞がれてしまう。
手を出さないって言ったのに。
嘘をついた拓人。
自由が効かないため、抵抗すらできない私は大人しくする他なく。
やはり毎日されるキスは、日を増すごとに私をおかしくさせるような気がした。
最初は戸惑いと恥ずかしさしかなかったというのに、今は甘く優しいキスに思考を奪われ、自分の中に知らない感情が抱いていく。
その感情は日に日に増すばかりで、止められる気がしない。
それが怖くて、自分の中に知らない自分がいるみたいで。
拓人にキスをされたくないと思うけれど、いざキスをされてしまえば、素直に受け入れる自分がいた。
だんだんと思考が鈍くなり、よくわからない感情に支配されていく。
全身が熱くて、火照っている。
もっと欲しいと、一度だけじゃ足りないと。



