そういえば、確かに外は暗い。
もちろんカーテンは閉めているのだけれど、朝だと勘違いした私は、ようやく夜だと理解して安心した。
「良かった……」
「お嬢様、相当疲れていたのですね」
「うん、そうみたい……あれ」
拓人の言葉に対し、頷いていたその時。
ふと自分が、制服姿ではないことに気がついた。
部屋着へと変わっていて、何やら嫌な予感がする。
「お嬢様?」
「……拓人」
「いかがなさいましたか?」
「あの……私、制服着ていたはずなんだけど…」
「ああ、それでしたら女性の使用人にお任せ致しました」
にこっと笑顔で答える拓人。
その言葉に私は安心感を覚えた。
「そっか……そうだよね」
「随分と安心したような顔ですね」
「当たり前だよ!だってもし拓人が……」
「私が、なんですか?」
「……っ」
突然腰に拓人の手がまわされた。
どうして今、こんなことするの。
拓人は最近、執事としての役割を果たせていない時がある。



