『私、たっくんに褒められるために頑張ったんだよ』
たっくんは優しい。
褒め方も上手で、私を幸せな気持ちにさせた。
『俺に褒められるために?』
『うん!』
『本当に美紅ちゃん、かわいいこと言うね。
でも俺は、美紅ちゃんは普段からいい子だってわかってるよ』
『私、普段からいい子?』
『もちろん。とてもいい子で、そんな美紅ちゃんと出会えて嬉しいなって』
たっくんは何気なく言ったつもりかもしれないけれど、その言葉はさらに私を喜ばせた。
『私、毎日たっくんといたいな。
そしたら幸せな気持ちでいっぱいになるもん』
小さい頃、私なりに思った本音。
たっくんは私の言葉を聞いて、ふわりと優しく、けれどどこか嬉しそうに笑った。
『じゃあ俺が必ず、美紅ちゃんを幸せにするからね』
子供染みた約束だったけれど、この時の私たちは確かに本気だった───



