* それは小学生の頃。 『あ、たっくんいた……!』 ふたつ年上のたっくんに対して、私はすぐ心を許すようになった。 『美紅ちゃん』 放課後に、私とたっくんは頻繁に会っていた。 ほとんど私から懐いていくような感じだったけれど、たっくんも嫌だなんて一切言わず。 むしろ優しい笑顔で迎えてくれた。 『たっくん、今日ね、先生に褒められたんだ』 『すごいね、さすが美紅ちゃんだ』 褒められた内容を話すと、たっくんも自分のことのように喜んでくれて。