甘い執事の思うがまま。




『お嬢様、外は大変危険です。
学生たちの多くが集まる場所ならば、さらに危険です。

お嬢様の身に何かあれば、私がそばにいない限りお守りできません。ですからどうか、わかっていただけませんか?』


拓人は私にこう言った。
それも、真剣な表情で。

どこか必死さも加えられ、私を説得するように。


そんな拓人を否定するようなことなんてできなくて、結局私は折れたのだ。


「危ないから、だって。
何かあってからじゃ遅くて…」

「美紅はそれでいいの?」
「えっ……」

「私は嫌だけどな。
それに最近暗くなるの遅いし、どうしても美紅と遊びたい!」


楓ちゃんの言葉に、決心が揺らぐ。
それぐらい、私と遊びたいって言ってくれて嬉しかったのだ。