「それってやばくない?」
「え……」
「遊ぶことも許してくれないっていうのは、変だよ?」
「変……」
そうなのだろうか。
中学の時に遊ぶといえば、ほぼ家族ぐるみの食事会のようなものばかりで。
友達と外に出かけることなんてなかった。
それほど親しい友達がいなかった、というほうが正しいかもしれないけれど。
だから私には、変という感覚がないのだ。
ただ、楓ちゃんと外に出かけたいという気持ちはもちろんある。
だからこそ拓人を説得したが、許してくれなくて、きっとこういうのはダメなんだろうなって思った。
「だって理由は?」
「理由?」
「そう。友達と遊びに行くのがダメな理由」
「それは……」
ここは、どのように答えるのが正解なのだろうか。



