もちろん最初は駄々をこねたり、拓人を何度も説得しようとした。

だけど答えは同じ。


最終的にキスの勉強だと言って、強引に唇を塞いできて、話を強制終了される始末。

つまり拓人は決して許してくれない。


だからこうやって、楓ちゃんの誘いを断るしかないのだ。
少し……いや、かなり胸が苦しい。

だって友達と遊ぶだなんて夢のようなものだ。
そんな夢みたいなことが目の前で起ころうとしていたのだから。


「えっ、親が遊ぶことも許してくれないの!?」

楓ちゃんの反応を見て、しまったと思った。
明らかに楓ちゃんは驚いている様子。


つまり、さっきの私が言ったことは“普通”じゃないらしい。


「う、うん……まあ、そうなるの……かな」

これ以上嘘に嘘を重ねたくなくて、濁すことしかできなかった私。

だけど楓ちゃんはそれどころじゃないようだった。