「拓人、独占欲……?」
どちらかといえば拓人に言うよりか、独り言のように小さく呟いた私。
だけど拓人はそれに反応を示した。
「どこでそんな言葉、覚えてきたの?」
「えっ……どこで?」
「そんな難しい言葉、美紅が知ってるわけないよ」
「む、難しくなんか……」
なんだか軽くバカにされているような気がして不服だ。
「どうして知ってるの?そんな言葉」
「私だってこれぐらい、知ってるよ」
楓ちゃんや津田くんに言われるまで、“独占欲”だなんて聞いたことがなかったけれど。
ムキになって、自分から拓人に視線を合わせにいく。
「美紅、嘘つくんだね」
「嘘をついた証拠なんてないもん」
つい意地になって言い返してしまう私。
多分態度で嘘なのがバレバレだろう。



