甘い執事の思うがまま。




私も拓人にぎゅっと抱きつく。


「そんなに恥ずかしいの?」
「うん……だって拓人、何回もキスして」

「何回も?たったの3回だよ?」


たったの……3回?
そんなことない。

私にしたら、キスを3回だなんてすごく大きいことだ。


「拓人と価値観が違う……」
「そうみたいだね。だけどいつか、同じ価値観になれる日がくるよ」

「本当に?」
「うん。美紅が慣れればいい話」


拓人は私を抱きしめながら、頭を優しく撫でる。
そんな簡単に言うけれど……慣れるはずがない。


「絶対無理だ。
拓人が私の価値観になるの」

「んー、それは難しいな」
「そっちのほうが簡単だもん」

「だけど俺、まだキスし足りないよ?」
「……っ」


そんなこと言って、また私の胸を高鳴らせる。