甘い執事の思うがまま。




キス、ばかり。
それも、優しいけれど甘く強引なキス。

拓人の様子がおかしい。
いつもの優しさ以上に、意地悪さと甘さが勝っている。


「……ん」
「かわいい」

「拓人、これ以上は」
「わかってるよ。美紅、限界なんだよね?」


胸が尋常じゃないくらいドキドキして、たまらなくなって。

限界だった。
それを読み取った拓人が、ふっと小さく笑う。


「うん、もう無理で……」
「なら終わろうね。代わりにこうしとこうか」


キスが終わる。

これで落ち着けると安心していたのも束の間、今度は拓人に抱き寄せられた。


拓人の優しい抱きしめ方。
ドキドキはするけれど、キスされるよりずっといい。


キスは、寿命が縮んでしまう気がするくらい、ドキドキして心臓が壊れそうになるから。