そんなの無理だ。
慌てて首を横に振る。
「拒否するの?」
「え……」
「美紅は悪い子なんだね」
「わ、悪い子……なの?」
悪い子だなんて、拓人に思われたくない。
いつもはいい子だって、言ってくれるから。
「うん、悪い子。
今の美紅はいい子じゃないから、よしよしできないね」
「……っ」
やっぱり。
拓人の言う通りにしたら、頭を撫でてくれる。
恥ずかしいけれど、悪い子って思われるのは嫌だったから、拓人の膝の上に乗るようにして彼と向かい合う。
すると拓人は満足そうに笑い、頭を撫でてくれた。
「うん、やっぱりいい子」
「私は、悪い子じゃない?」
「悪い子じゃないよ。
俺にとったら、とってもいい子だからね」
嬉しい。
拓人にそう思われただけでも十分だ。



