「それに、実践練習と思って?」
余裕たっぷりの笑み。
さらには色気がダダ漏れで。
また、私だけがドキドキして、思考を鈍くさせられる。
「実践…」
「うん、だから今まで勉強してきたことを思い出そうね」
拓人はそう言うと、そっと私を離した。
「拓人?」
「ここじゃ、狭いから移動しよう」
「えっ、でも勉強は…」
「勉強は諦めて?これからは俺との時間だよ」
諦める、だなんて。
勉強会の意味がなくなってしまうのに。
だけど拓人は立ち上がってしまい、仕方なく私も同じようにして立ち上がった……かと思えば。
突然ふわりと体が宙に浮いた。
「ひゃっ……」
本当に突然のことで、変な声が出てしまった。



