「拓人?」
「じっとしてて」
言われた通り、じっとする。
そんな私の後ろに拓人は腰を下ろしたかと思うと。
「……っ、た、拓人」
そっと、後ろから抱きしめるようにして腰に手をまわされた。
密着状態になり、少し背中に重みと温もりを感じる。
さらには鼓動も速まり、心臓に悪い。
「これなら見つめてないから、大丈夫だよね?」
拓人はそう言って、体勢を変えようとしない。
顔は見えないけれど、この至近距離にドキドキは増すばかりで。
さっきよりも恥ずかしくて、シャーペンを持つことすら危うくなる。
「美紅?わからないところでもあるの?」
「な、ない……けど」
この距離の近さのせいで、うまく言葉が出てこない。



