「ぜ、絶対嘘だ」
「本当だよ。かわいくて、こうやって見つめられる時間が嬉しい」
嬉しいって……拓人はいったいどういう心理をしているのだろう。
私を見つめて嬉しいだなんて、あるはずないのに。
「嘘つきは泥棒の始まりなんだよ?」
「嘘つきじゃないから泥棒でもなんでもないね」
「信じないもん」
「信じなくてもいいから美紅は勉強してて?」
うう、やっぱり拓人はうまいこと言う。
だけど私だって、見つめられたら落ち着かない。
「勉強、できない……見つめられたら」
「今、わからないところはある?」
「ない、けど……」
「じゃあそれまで俺は、こうしてよう」
もしかして、まだ見つめ続けるつもりなのかな……と、思っていたら。
突然拓人が立ち上がった。



