「あっ、でも確か……」
拓人は何かを思い出したかのように立ち上がり、窓際のほうに移動した。
「拓人?」
「あったあった」
そう言って拓人が取り出したのは、折りたたみ式の小さな白いテーブルで。
「これと、あとはそうだな……床に座れるように、だからちょっと待ってて」
「へ?」
大人しく拓人を待っていると、数分もしないうちに拓人が戻ってきたけれど、手に何も持っていない。
「拓人、何しに部屋出たの?」
「床に敷くもの、持ってきてもらうよう頼んだんだ」
「床に敷くもの?」
「そう。カーペットとか。それなら床に座れるかなと思って」
「……あっ、そういうことか!」
さすがは拓人だ、行動が早い。
すでに今の状況を改善しようと動いてくれたのだ。



