甘い執事の思うがまま。




「美紅ならそう言うと思った。
じゃあ始めようか」

「うん!」


拓人の言葉で、私たちはテーブルの上に置かれたお菓子を片付け、炭酸飲料のペットボトルだけ残した。

それから勉強道具をテーブルの上に置き、お互い向かい合って座ったのだけれど……。


「距離が、遠い…」
「確かにそうだね。勉強には不向きな場所だ」


いつもみたいな勉強するための机や椅子ではないため、テーブルの位置も低く、ソファからは勉強しにくいし拓人との距離も遠い。



「家で勉強会って、どんな風にやってるんだろう……」

誰かに見本を見せてほしいくらいだ。


「あれだね、床に座ってやってるイメージが強いね」
「床に座る?」


床って……いくら室内用の上履きでの移動とはいえ、床に座るのには抵抗がある。

だって裸足で移動しているわけじゃない。