甘い執事の思うがまま。




「いつか必ず、美紅に話すからね」
「いつかって、いつ……?」

「それはわからない。俺が言う前に、美紅は気づくかもしれないし」

「気づくって何のこと?」
「秘密」


拓人は自分の人差し指を唇に当て、『秘密』というポーズをとった。

どうやら本当に教えてくれないらしい。
余計気になってしまう。


「拓人……」

「勉強、しようか。それとも先、お菓子食べる?
ほら」

「うわぁ、すごい種類!」


拓人にお菓子がたくさん入った袋を見せられ、ついそちらに意識がいってしまったところで思い出した。

今はお菓子の話をしている場合ではない。
危ない、拓人に話の方向を変えられるところだった。


「拓人、話そらさないでよ」
「このチョコとか美味しそうだね」

まだ話の途中なのに、拓人はスルーを貫いてきて。

かと思えば口の中に、クッキーとチョコが二層になったお菓子を入れてきた。