「うん、だからふたりだけの秘密」
「秘密……」
「そう。バレないように用意したから。
実はお菓子もあるんだよ。
チョコとかスナック菓子とか、アイスも用意してたり」
「本当?」
「うん、本当だよ。こういうの、食べたいかなって思って」
「食べたい!」
実はずっと気になっていた。
新作のグミが美味しい、とか。
このお菓子おすすめだ、とか。
よくクラスの子が話しているのを見かけているからだ。
だけど私は、みんなが食べている学食のメニューを頼むことすら許されなくて、内心複雑だった。
私だって同じ“人”なのに。
みんなと変わらない、同じ人間だ。
それなのに食べたらダメ、だなんて複雑な気持ちになってしまう。



