甘い執事の思うがまま。




「あ、そうだ」

早速勉強を始めるのかな、と思っていたら、拓人が何かを思い出したかのように備え付けの冷蔵庫へと向かった。



「拓人?」
「見て、美紅」

「あっ、それって!
学校の自動販売機でよく見かけるやつだ!」


拓人に見せられたのは、500mlのペットボトルに入ってある、炭酸飲料だった。

冷蔵庫には沢山の種類が入ってある。


「どうしてこんなに?」

「デートはダメだって、言ったからね。せめて、いつもと違う気分にさせられたらいいなと思って」


それは、拓人なりの気遣い。
昨日のことを申し訳ないと思っているようだった。

やっぱり、優しい人。


「でも、いいの?」
「えっ?」

「こういう飲み物は体に悪いからダメだって、言われてるよ?」


そう。

炭酸飲料や、お菓子、ジャンクフードなどは親だけでなくシェフからも禁止されている。