甘い執事の思うがまま。







帰り際は、拓人の様子が少し変だったけれど。

家に着いた時にはもういつも通りだったから、あまり気に留めないでいた私。


「ここがゲストルーム……!」
「美紅、初めて来たの?」

家の中だけれど、今の私たちは恋人関係。
だから名前で呼ばれるのは、なんだか新鮮だった。


「中に入ったのは初めて!」

だっていつもここを利用する人たちはみんな、お父さんの会社関係だ。


つまり私が関わる人ではないため、この部屋に行くこともなかった。



「あ、でもお父さんに許可とってないや」
「大丈夫だよ。俺が許可、とってあるから」

「本当?別に何も言われなかった?」
「うん。だから安心して大丈夫」


何も言われなかったのなら大丈夫か。
きっとここを使用する予定がないのだろう。