甘い執事の思うがまま。




「カタツムリとかカメあたりだな。
ノロノロしてる感じ」

「そ、そんなことないもんね……!うさぎくらい跳べるもんね」

「……ふはっ、うさぎってなんだよ。
確かに見た目はそんな感じだけどな」


本気で言い返したのに、なぜか津田くんに笑われてしまう。

うー、やっぱり意地悪な人。
バカにしたように笑ってくるんだもん。

見た目がうさぎって、褒められているような気はしない。


「やっぱりすぐ拗ねる」
「拗ねてません」

「怒るなって。悪かったよ」
「どうせ私はトロい女ですよーだ」

じっと津田くんを見上げ、睨んでやる。

それなのに、津田くんは頬を少し赤く染めて、視線を背けてしまった。


その不自然な反応を不思議に思い、津田くんの名前を呼ぼうとしたら。

「美紅、履き替えた?」


拓人の声が聞こえてきて、ハッとした。