そして、待ちに待った放課後。


「拓人!」

今日はいつもより早く準備をして、教室を後にした。
少しの時間も惜しい。


だって夜ご飯の時間になれば、きっと私たちは主従関係に戻ってしまうことだろうから。


すると何と、拓人はすでに靴箱のところで私を待っていた。


「美紅、今日はいつもより早いね」
「時間がね、もったいないの!早く行こう?」

「……美紅、靴履き替えてからね」
「あっ、忘れてたや」


拓人に指摘され、まだ自分が上履きなことに気づいて恥ずかしくなった。

きっと今ので浮かれていたのがバレたことだろう。


急いで履き替えに行くと、ちょうどそこには津田くんがいた。