「本当は学校にも通ってほしくありませんが、通うことによって学べることもたくさんあるので、そうしているだけです。
つまり学校以外はいけません」
「そ、そんな……どうしてもダメ?」
「はい、いけません」
どれだけ頼んでも、拓人は許してくれそうにない。
拓人と制服デートができると思っていたから、ショックで落ち込んでしまう。
「もしかして、嫌……?
私と外に歩くのは」
「お嬢様」
「だからそんな風に言って、断ろうとしてるの?」
こんなこと言ったって、拓人を困らせるだけなのに。
私って最低だ。
「お嬢様。
私はいつ、嫌と言いましたか?」
「だって……」
「本当に心配なのです。叶うのなら、ずっと外に出てほしくない気持ちでおります」
拓人は眉を下げて悲しそうな顔をし、私の頭を撫でる。



