だけど確かに、付き合っているのにデートしていないのはおかしいよね……と思った私は、早速拓人に言おうと思ったのだ。
「あのね、拓人。
私、拓人とデートしたいの。制服デート!」
放課後の、制服デート。
私の中では結構夢だったりして。
「いけません」
それなのに……今、拓人にきっぱりと断られてしまった。
「えっ……どうして?」
まさか断られるとは思っておらず、戸惑ってしまう私。
まずは理由を聞こうと思った。
「デートと言えば、周りに人がたくさんいる場所で行うことでしょう。
そのような場所にお嬢様が行くだなんて、考えられません」
「た、拓人がいるもん」
「確かに私はおります。ですが、そのような場所にお嬢様が行けば、他の者の視界にお嬢様が映ってしまいます」
「それは仕方ないよ?
学校でもそうだし」
何拓人は当たり前のことを言っているのだろう。



