「桜の芽吹く、今日のこの日に_______________」




壇上に上がり答辞を読む君に、私は100年前のあの人の面影を探す。



10年前、6歳だった君はもう16歳。



立派になった。



君は私を覚えていないけど、



いつかきっと笑い合えるって信じて、



私は君の言葉に、静かに耳を傾ける。



「________答辞 新入生代表 如月琉玖。」




体育館の外には、満開のソメイヨシノが咲いている。