「とりあえず出席とるぞ〜!」
席に戻ると、僕の後ろはまだ来ていなかった。
一人分空いて瀬良さんが見える。
「先生ー!私の前の東雲さんがまだ来てないでぇーす!」
「東雲?…あぁもうすぐ来ると思うぞ〜」
ガラガラガラ
ドアの開く音に、みんなが一斉に注目した。
「遅くなりました。」
綺麗な銀髪に、銀色の瞳。
みんなが目を奪われていると、彼女は僕の後ろの席に腰を下ろした。
誰もが彼女に気をとられるなか、透き通ったその瞳は僕を見つけた。
「…っ!!」
かすかに笑みを浮かべた彼女はとても美しく、儚かった。
「先生、HRに戻らないと入学式に間に合いませんよ。」
初めて聞いた彼女の声は、
凛としていて、
透き通っていて、
どこか懐かしかった。
