「朱里さん」

どことなく寂しそうな顔をする彼。私の返事を分かっているとも言いたげだった。

「あの……ごめんなさい!」

言った。

もう後戻りは出来ない。

これから鷺沼くんとの関係が崩れてしまうかもしれない。

私は体を小刻みに震わせながら、鷺沼くんの返事を待った。

「やっぱり」

「え…」