「そうそう、告白の返事なんだけど…」

小声で鷺沼くんが言う。

「朱里さん、すごく難しそうな顔をしているから今すぐじゃなくていいよ」

こういうことを言われると安心して後回しにしてしまうのが私の悪い癖だ。

「ありがとう。でもなるべく早く返すね、ごめんね」

「じゃ、待ってますから」

嬉しそうな鷺沼くんの背中を見ると、本当に何も言えなくなってしまう。

そう、純粋な彼の気持ちを…